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日系企業の人事職からアクセンチュアの人事へ。どちらも経験して感じた業務の違いとは?
アクセンチュアの部門人事(HRパートナー)ポジションで働く社員が、業務内容を詳しくご紹介します。日系メーカーでの人事職を経て外資系コンサルティング会社の人事に転職した筆者が、ともに経験したからこそ分かる両社の業務内容の違いや、風土、活かせる経験などについてお話しします。
2024/05/23
こんにちは。アクセンチュア人事本部で部門人事(HRパートナー)をしているKiyotoです。今回はHRパートナーの仕事に触れつつ、前職で経験した日系メーカーとアクセンチュアの人事業務の違いに関して紹介したいと思います。なお、以下で触れる点は私の前職経験を踏まえた内容であるため、一概にすべての日系企業の違いではない点はご留意ください。
最初に経歴について紹介させていただきます。前職は日系の輸送用機器メーカーで人事関連の業務を約10年担当しました。担当していたのは、主に全社労務・賃金関係の制度設計や事業所での要員計画、採用、教育、評価等です。人事の仕事にやりがいを感じつつも「このやり方が最善なのか?」「他の会社はどうしているのか?」といった疑問を感じていました。一方で、人事の仕事は続けたいと思っていたので、人事という職種を軸に新しい環境で自分がどこまでできるのか挑戦してみたい、そして、どうせやるなら今までとは全く異なる業界の方が新たな発見があるだろうと考え、アクセンチュアへの転職に至りました。
①幅広い領域をカバーするジェネラリスト
私が担当する部門人事とは、社内ではHRパートナーと呼ばれ、文字通り伴走者として部門(ビジネス)側と一緒になって「人」に関する課題を解決し、会社の成長に貢献しています。具体的な例で言うと「採用人数が増えるにあたって入社者の人材育成をどのようにしていくべきか」、「社員のモチベーションを上げるにはどうしたらよいか」といった組織全体の課題を担当部門のマネジメント層と検討していきます。また、コミュニケーション相手はマネジメント層だけに留まりません。担当領域の現場社員から寄せられる相談にも耳を傾け、現場レベルでの課題解決を行うこともHRパートナーの業務です。現場社員からは「キャリアプランを考えるにあたってロールモデルとなる人を紹介してほしい」、「育児との両立で悩んでいて、どのように制度を活用すべきか相談させてほしい」と相談が来ることも。組織から個人まで幅広い領域をカバーしています。
実際、担当している部門からの人事関連の相談はまずHRパートナーに寄せられることが多いです。相談内容によっては複数の人事領域に跨るため、それをHRパートナーが整理し、部門(ビジネス)側のマネジメント層や他人事部門(採用、教育、労務等)の必要な人を巻き込み、解決に当たっています。
②フォーカスすべき業務に集中しやすい環境
人事業務に関わったことがある人の中には、「社員からの問い合わせ対応や作業が多く、本質的な課題を考える時間がない」といった悩みを持っている人もいるのではないでしょうか?私自身、前職では、ああしたい、こうしたいという気持ちがありながら、目の前の作業に追われて取り組みたい案件に対しては、満足いくほど対応できていませんでした。
アクセンチュアのHRパートナーは、部門担当制のため、担当部門に所属する数百名の社員を1人で担当することが多いです(最初に説明を受けたときには結構衝撃でした)。入社当初は、どれだけ多くの問い合わせや相談が来るのか、その対応に追われるのではないかと戦々恐々としていました。しかし、実際に入社してみると、アクセンチュアは体系立てて人事プロセスが作られており、HRパートナー1名が部門を丸ごと担当できる仕組みがすでにあることに感動しました。
というのも、アクセンチュアでは、社員全員がチャットボットを日々利用しています。社員は、人事関連に限らず、日々自ら必要な情報をこのチャットボットを利用して自身で探しに行くのです。そうしたツールを利用しても未だ解決できない場合には、定型業務の高度化・最適化を推進している人事サービスセンターが、まず社員からの問い合わせを引き受け、さらに、それでも解決できない事案やビジネス側との話し合いが必要な課題のみ、HRパートナーに相談が寄せられる仕組みです。そのおかげで、私たち各担当は日常的に問い合わせ対応に追われることはなく、担当部門の人事要件定義の策定やアクションプランなどといった、より本質的な課題にフォーカスできています。
もちろん、イレギュラーな案件などもあるため全てが上記のようにいくわけではありません。ただ、会社として、フォーカスすべき業務に集中できる環境を整えようといった考えが明確に伝わってきて、自分自身がどのような人事担当であるべきか、求められる役割が明確になっていると感じています。
「外資系コンサルの人事」と聞くと、システマチックに人材管理が行われていて、機械的な冷たい対応をしている印象を持つ方もいらっしゃるかもしれません。私自身も入社前は、正直そのように思っていました。ただ、「人に関する業務を日本で行う」ということは、日系・外資系を問わず同じです。また、適用される法律や社員が日本国内に居住している(日本の文化の中で働いている)ことを考えると、社員とのコミュニケーションの取り方が劇的に違うわけではありません。その中で、特に違いと感じる点をいくつか挙げてみたいと思います。
①業務スピード
日系と外資系の違いは、やはり業務のスピード感にあると思います。感覚的な話ですが、前職で1か月かかっていた業務が、アクセンチュアでは数日で進行する感覚があります。例えば、前職では決裁書や稟議書といった書類を作成し、課長→部長→本部長…といった形で決裁印を集めていましたが、アクセンチュアでは役員クラスの人に対しても、(もちろん内容によりますが)メール1本で承認を取得することもあります。紙文化で育ってきた自分にとって、全く紙がない状況は初めてでしたが、慣れると物事がスムーズに進む環境は非常に助かります。全社を管理するグローバル部門や担当部門から求められるスピードも速く、入社直後の頃はそのスピード感に慣れずに戸惑いましたが、時間が経つにつれて慣れることができました。
②学習機会の多さ
これは外資系だからというよりも、メーカーとコンサルティング会社の違いになりますが、人事部門である前にアクセンチュア社員であり、従って人事としてもコンサルティング会社ならではの学びを得る機会が多くあります。簡単な例として、私は前職ではWordを使用した書類形式が主だったのに対して、現在はPowerPointなどを用いたプレゼン資料形式での資料作成がほとんどです。資料形式の良し悪しは別として、今まではプレゼン資料の作成にも不慣れでした。しかし、アクセンチュアでは、まず、経験者採用で中途入社した方向けにトレーニングが用意されており、ロジカルシンキング、Microsoft Officeなどプレゼン資料の作成で必要な基礎的なスキルが学べます。また、それ以外にも現場が作成する資料や現場主導の部門別トレーニングの内容を参考にすることも。自ら学びたいと思う方にとって、学びの機会は豊富にある環境なので、私も多少なりとも情報を効果的に伝えるスキルを得ることができたと感じています。 また、コンサルティング会社である以上、世の中の情勢をタイムリーにキャッチできる機会や現場社員から最新の情報に触れる機会が多くあります。これによって、今後の世の中がどうなっていくのか、自分自身が人事としてどんなスキルを得る必要があるのか、といったことを考える機会が前職時よりも増えました。そして、そのスキル向上に必要なトレーニングやプラットフォームを人事部門も活用することができます。例えば、現在は生成AIをどう人事業務に活用できるのか、そのためにどんなことを学ぶ必要があるのか、どう実践することができるか、といったことを日々考えています。それを実装するためのコンテンツが社内に多く存在するため、学びながら実践することができ、自分の成長にとても良い環境が整っていると感じています。
アクセンチュアのHR パートナーは、これまでの人事領域の経験を活かしつつ、色々な人と関わりながら、幅広く人事のキャリアを広げていきたい人にはとても向いていると思います。私のように、部門人事を今まで経験したことがない人も、なにか人事領域の業務を経験した人であれば、何かしら必ず前職までの経験を活かしてチャレンジできる環境が整っていますので、安心して飛び込んでみてくださいね。
日系メーカーと外資系コンサルティング会社の違いを知る中で、部門人事(HRパートナー)という仕事やアクセンチュアで働くということに少しでも興味を持っていただけましたら幸いです。
長くなりましたが最後までお読みいただき、ありがとうございました!