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経営視点で「人々の生活」を変える。ソング本部の戦略コンサルタントになったワケ
ソング本部で戦略コンサルタントとして働くSatokoさんが、領域横断で顧客起点の成長戦略策定や新規事業立案を行うストラテジーキャリアの魅力をご紹介します。
2025/07/28
こんにちは、ソング本部で戦略コンサルタントとして働くSatokoです。ビジネス コンサルティング本部のストラテジーグループに新卒で入社後、多様な専門家チームと共に「顧客起点の経営変革」を専門とするソング本部に異動し、現在は領域横断で顧客起点の成長戦略策定や新規事業立案などのプロジェクトに従事しています。
わたしがファクトとロジックを主戦場とするキャリアから、顧客の「生の声」や「感情」を起点とする現在のソング領域へと軸足を移したのか。それは、わたし自身の原体験と、キャリアの中で出会ったいくつもの「化学反応」の結果です。この記事が、皆さんのキャリアを考える上での、一つのリアルなサンプルとなれば幸いです。
写真中央 Satokoさん。仲のいい同期との京都旅行の一枚。仕事/プライベート問わず相談できる貴重な存在です。
わたしのキャリアの原点は、学生時代の資生堂カウンターでのアルバイト経験にあります。
当時はまさにDXという言葉が広まり始めた頃。資生堂でも、紙の顧客台帳を廃止し、タブレット端末でのデジタル管理へと移行する過渡期でした。新しい仕組みがもたらすメリットと、現場の従業員や長年通ってくださるお客さまが感じる戸惑いや不便。その両方を、わたしはカウンターの内側から目の当たりにしていました。 この時、強く感じたことは、どんな優れた仕組みや戦略も、それを使う「人」の気持ちに寄り添えなければ意味をなさないということ。そして、わたしもいつか、一人の従業員の仕事や一人の生活者の生活の質を向上させられるような、血の通った社会変革に携わりたい、と思い始めました。
この想いを実現するため、若くして経営の意思決定にインパクトを与えられる戦略コンサルタントという職種に惹かれました。なかでも、当時からデジタル領域で最先端を走っていたアクセンチュアであれば、わたしの問題意識を最も早く、そしてダイナミックに形にできるのではないか。そう考えて、入社を決めました。
入社後、わたしが最初に所属していたのは現在のビジネス コンサルティング本部です。数年間、通信業界のクライアントを中心に、新規事業立案などのプロジェクトに従事しました。ここで、問いを正しく設定し、ファクトに基づき論理を組み立て、戦略を構築する――コンサルタントとしての基礎体力を徹底的に鍛えられました。
キャリアの転機は、ある通信キャリアが医療・ヘルスケア領域の新規事業を立案するプロジェクトで、当時、ソングの前身にあたる組織のメンバーと協働した時に訪れました。わたしたちのチームが市場データや競合分析から戦略の骨子を組み立てる一方で、彼らのアプローチは全く異なりました。 20名を超える生活者に、何時間もかけてライフストーリーをインタビューし、その結果を壁一面の付箋に貼り出して、意味を読み解いていく。正直、これまで培ってきたやり方と異なるアプローチに最初は戸惑い、手探り状態でした。 しかし、そのプロセスから紡ぎ出された、ユーザーの切実な願いや悩みといった「生々しい声」。それが、数字からロジカルに導き出した「正解」と掛け合わさったとき、戦略の解像度が劇的に上がり、ビジネスモデルが血の通った物語へと変わっていく。これこそ、わたしがやりたかった「人の生活を変える社会変革」の入り口ではないか。そう直感しました。
この経験を機に、わたしは「顧客起点」の成長戦略立案へと強く惹きつけられていきました。 幸いなことに、アクセンチュアには「手を挙げれば、自らキャリアを切り開ける」という文化が根付いています。入社当時から希望していた資生堂のプロジェクトに空きが出たタイミングで、わたしは迷わず参画しました。
その全社変革プロジェクトは、まさに多様な専門家との「コラボレーション」が前提でした。わたしのいる戦略チームの隣では、同じくソング本部に所属するデザイナーが顧客インサイトを深掘りし、クリエイターが心に響くビジュアルやコピーを練り上げる。そして、エンジニアがそれらを具体的なモックやプロトタイプへと、驚くべきスピードで形にしていくのです。
わたしたちがロジックで組み上げた戦略が、彼らの手によって「誰もが手触り感をもって理解できる形」に変わる時、クライアントの目の色が変わり、議論が熱を帯び、変革が「自分ごと」になっていく。このプロセスに、わたしは心から感動しました。
その価値を象徴する出来事が、以前わたしが参画した、あるアパレルメーカーのブランド成長戦略提案にもありました。 通常、提案は戦略チームが中心となってロジックを固めますが、その時は提案段階からクリエイティブチームと協業しました。戦略チームが市場や競合分析から導き出した戦略仮説を両チームの視点で磨き込みます。そして、最終的にクリエイティブチームによって、成長戦略を体現する鮮やかなブランドビジュアルや、人の心を掴むブランドコピーまで昇華されました。
ロジックだけの提案書ではなく、「この成長戦略が実現したら、ブランドはこんなにも魅力的になる」という未来像を提示した提案に、クライアントは前のめりになり、「これこそアクセンチュアならではの価値だ」と、その場で強い信頼を寄せてくださいました。
ロジックで描かれた戦略に具体的なビジュアルや言葉という「未来の証拠」が加わることで、議論は「やるか、やらないか」から、「どうすれば、この魅力的な未来を実現できるか」へと一気に加速します。 不確実な未来への投資に踏み出すための、確かな拠り所を創り出す。この経験は、多様な専門性とのコラボレーションが、クライアントの重要な意思決定を後押しする絶大な力を持つことを、私に確信させてくれました。
もちろん、専門性もバックグラウンドも異なるメンバーとの協働なので、仕事上の「言語」の違いから齟齬が生まれることもあります。しかし、その「異文化交流」とも言えるスリリングなプロセスこそが、最終的なアウトプットの質を飛躍的に高めてくれます。
また、わたしたちの協業スタイルは、社内だけでなくクライアントとの関係性にも表れます。週に一度報告と議論の場を持つ、という一般的な戦略コンサルティングのイメージとは異なり、わたしたちはクライアントオフィスに席を置くなどして、常にワンチームで動ける体制を築きます。 ただし、わたしたちはクライアントと「同化」することは決してありません。プロフェッショナルとしての客観的な視点を保ち、時には耳の痛いことであっても本質的な議論を投げかける。その緊張感を保った信頼関係こそが、変革を成功に導く鍵だと考えています。
こうした経験を経て、わたしは戦略コンサルタントに軸足を置きつつも、「顧客起点で、多様なチームと実装まで見据えた成長戦略を創る」ために、成長戦略・顧客戦略のファンクション・ケイパビリティを持つ集団であるソング本部内のストラテジー組織へ異動しました。 アクセンチュアでは従来、ビジネス コンサルティング本部内のストラテジーグループが有していた「カスタマー・マーケティング」機能は、現在はソング本部内で独立し、その領域のプロフェッショナルが集い、知見を進化させ続けています。 本質的な顧客理解に基づいた成長戦略を突き詰めることができる環境に身を置き、自らの専門性を高めることを選びました。
ソングで働くことの醍醐味は、自らが描いた戦略がサービスとして形になるところまで関わり続けられることです。先の資生堂のプロジェクトでは、私たちが提案した事業戦略が、実際にエンジニアの手によってサービスとして形になり、世にローンチされていくプロセスに関わり続けることができました。自らの仕事が「現実」に変わっていく手応えこそ、私がこの仕事に最も価値を感じる瞬間です。
では、その中で戦略コンサルタントは何をすべきか。わたしの現在の役割は、まさにプロジェクトの「戦略的支柱」となることです。 多様な専門家が顧客起点でアイデアを広げる中で、常に冷静な経営視点を持ち、「クライアントの事業成長にどう貢献するか?」「ビジネスとして持続可能か?」という本質的な問いを投げかけ、議論を構造化し、戦略へと昇華させていく。だからこそ、土台となる論理的思考力や仮説思考力といった、普遍的な戦略スキルが、以前にも増して求められます。 今後の目標は、この「戦略構築力」と「人間中心の創造性」を高いレベルで兼ね備え、両者の間を自由に行き来できる「越境リーダー」になることです。経営層と未来の事業戦略を語り合い、同時に、デザイナーやエンジニアと体験やプロダクトの細部について深く議論できる。そんな存在として、企業の変革を根底からドライブしていきたいと考えています。
母とのヨーロッパ旅行での一枚。1ヶ月超の休暇を取り、クロアチアとパリに2週間ほど滞在しリフレッシュ。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。 わたしたちが日々向き合う、刺激的で、ユニークなコンサルティングの面白さが、少しでも伝わっていたら嬉しいです。 この記事を書くにあたり、どんな方が私たちのチームで働くことを楽しめるだろうかと、改めて考えてみました。周りを見渡すと、こんな想いを持った仲間が集まっているように感じます。
もし、ご自身のキャリアや価値観と重なる部分を感じていただけたなら、とても光栄です。みなさんのこれからのキャリアを考える上で、この話が何かのヒントになればと願っています。