Careers
「アクセンチュアの中の実家でありたい」~SAPグループでの現場社員による、現場社員のための、Inclusion&Diversity活動紹介~
2022/11/14
Careers
2022/11/14
皆さん、こんにちは。
SAP関連システムの導入事業に従事している、テクノロジー コンサルティング本部のKaoです。
年々SAP製品への注目が高まる中、私が所属するSAPグループ自体も毎年規模が大きくなっています。そのような状況の中、SAPグループでは数年前よりコミュニケーション事務局を発足し、組織全体のコミュニケーションをより活発にする活動を企画・運営しています。グループを代表するリーダーシップをスポンサーに持ち、若手の現場社員を中心とする十数名体制で活動を行っており、その中にはより働きやすい環境を作るための、Inclusion & Diversity(通称I&D)活動もあります。
今回は、業務の傍らチーム発足時よりI&D活動に携わらせて頂いている私の視点から、SAPグループでのI&Dの取り組みとその大切さについて、お話させて頂きます。
Inclusion & Diversityとは、「民族性や性別、価値観など、一人一人の多様性を尊重し認め合うこと」を言います。この考えは、まさにアクセンチュアのコアバリューである「個人の尊重」にDNAを持ち、専門性やスキルだけでなく、社員それぞれの個性を大切にすることを志として掲げています。
SAPグループにおいては、全体の人数増加に合わせて、グローバル社員との協業や育児中社員の割合なども多くなっています。その分、働く環境に対して求められる条件も変わってきています。
多様な社員一人ひとりが働きやすい環境を作るためには、何をしたら良いか?
この課題に対して、SAPグループではアクセンチュア全体で定められているテーマを基に、5つのカテゴリに対して独自の取り組みを行っています。
(1)ジェンダー:女性社員や育児中社員のために
キャリア形成にはプライベートの状況も影響を及ぼします。特にその影響が大きいのが、女性社員や育児中社員です。その様な「仕事も家庭も全力で頑張る」SAPグループメンバーを応援するために、社内Newsletterを使って、情報を発信しています。
中でも好評なのが、「産休・育休インタビューシリーズ」です。アクセンチュアには様々な支援制度がある一方、その役立つ情報が当事者に届いていないのではないか?という想いから、SAPグループ内で実際に産休・育休制度を使ったことがある社員に、取得時の話をインタビューしています。対象には、まだ日本全体では浸透しきっていない、男性社員の育休話も含まれており、「他の男性社員も育休を取得しているのを知ったことで、気持ち的にも申請しやすかった!」という声が多く聞かれます。様々な立場の社員がキャリア設計をしやすくするためには、やはり体験談を発信することが大切だと思っています。
(2)クロスカルチャー:グローバル社員とグローバルに活躍したい社員のために
グローバル基準のソフトウェアであるSAPを取り扱っているSAPグループでは、経験豊富なグローバル社員が海外オフィスから日本オフィスに所属を変える事が年々増えています。中には、英語でのコミュニケーションが中心のメンバーや日本滞在が初めてのメンバーも多くいます。そのような場合でも、SAPグループの一員として働きやすく、日本メンバーともコミュニケーションが取れるように、社内Newsletterでのインタビューシリーズを始めとして、様々な企画運営をしています。
SAPグループではオリジナルの企画が多く、「グローバルキャリコン」もその一つです。
発端は、社内のクロスカルチャートレーニングでした。テクノロジー コンサルティング本部の各組織からメンバーが集まっており、私が参加したセッションはなんと9割が外国籍でした。ディスカッションにて普段の業務での課題を話し合った際に、一番多く上がった点は「ビジネス文化の違い」でした。グローバルメンバーからは、「ビジネスの内容は同じなのに、進め方や求められる期待値が異なり、大変だ」という声や「フィードバックの仕方が、母国でのやり方と違い、落ち込んでしまった」という声まで聞こえました。この様な話は、SAPグループも例外ではありませんでした。では、どうしたらビジネス文化のギャップを埋められるのか?その答えとしてチームで生み出したのが「グローバルキャリコン」でした。
SAPグループには、長年日本プロジェクトに関わってきて、日本でのビジネスの進め方にも精通しているグローバルメンバーもいます。そのような先輩社員から、新しく日本所属になったメンバーに対して、アドバイスをする場として「グローバルキャリコン」を設けています。少人数に分かれてのQ&Aセッションも取り入れることで、「個人的な悩みも相談できて、良かった!」と参加者から高評価を受けています。
(3)カウンセリング:より良いカウンセリングが行われるために
アクセンチュアでは入社初日より、社員一人ひとりにキャリア形成や業務に対するサポートをする先輩社員が割り当てられます。People Leadと呼ばれているこの先輩社員は、年次評価を受ける際に自分を代弁してくれるだけではなく、何か悩み事がある際にも相談相手として頼る事が出来ます。SAPグループでは、この制度に対しての取り組みを、各People Lead に任せるだけではなく、組織全体としてより良いカウンセリングが出来るように、定期的にPeople Lead向けの勉強会やトレーニングを行っています。
また、多くのPeople Leadには、複数のカウンセリ―が割り当てられ、1人のPeople Leadが持つカウンセリ―の集まりを「カウンセリングツリー」と言います。SAPグループ内では、定期的な悩み相談の場だけでなく、ツリー内で勉強会やPeople Leadの自宅で食事会をする等の独自の取り組みを行っており、大規模なSAPグループ内で特に若いカウンセリ―達の拠り所となっています。また、魅力的な活動をしているツリーは、その活動内容を組織全体に向けてNewsletterで紹介しています。
これまでインタビューをしたPeople Leadからの言葉で、心に残ったものがあります。「People Leadの心得として、カウンセリーのどんな小さな声にも耳を傾け、みんなが笑顔で楽しく、やりがいを感じられるように頑張っていきたい」という言葉でした。私自身、これまでPeople Leadと会話をした中で、頭の中でモヤモヤしていたことをこぼした際に、すぐに関係者とのフォローアップや使える情報等を共有頂いて、「気にかけてもらえている、大切にされている」という温かい気持ちになりました。人数の多い組織の中でも、社員一人一人が帰属意識(Inclusion)を感じることに大きく繋がっている取り組みであると思います。
(4)LGBTQ:性的少数者にあたる社員のために
日本では人口の3~10%がLGBTQに該当すると言われていますが、カミングアウトされていない方も多い状況で、どの様に支援をするのが良いか?
アクセンチュア全体では、社内のLGBTQコミュニティ支援委員会を通しての様々な企画があり、SAPグループ内では支援の第一歩として、このようなイベントや取り組みの宣伝や参加を促す事で、「LGBTQコミュニティについての知識を深める」ことを目標に活動しています。
例えば、アクセンチュア全体では「LGBTQ Ally」という取り組みがあり、当事者でない社員もAllyとしてサポートする事を名札の色によって公言することができます。SAPグループのLGBTQ支援活動では、このAllyへの参加を呼び掛けると共に、当事者&Ally向けに行われている月次イベントの参加レポートやSAPグループメンバーのLGBTQに対する想いを記事として配信しています。
直近では、毎年アクセンチュアが参加しているレインボーパレードに関する活動を取り上げました。
センシティブな内容であるため、アプローチが少し難しいカテゴリではありますが、普段働く中で潜在的にDo’sとDon’tsを理解した上で、お互いに接する事が重要と考えています。
(5)障がいのある方:障がいのある社員のために
アクセンチュアでは、身体的もしくは精神的な障がいがある方も多く活躍しています。この活動では、SAPグループに配属されたメンバーのために、働きやすい環境づくりに加え、担当する業務領域の拡大のための支援を行っています。
本活動の運営メンバーには、当事者である社員も含まれており、普段働く現場レベルで必要な事を軸として企画をしています。バックオフィスワークではなくビジネス案件に参画してもらうことは、これまでアクセンチュア全体で行ってきた就業体系からも難易度が上がるため、密なサポートを行うことで、次世代のI&Dに繋げることができればと思っています。
SAPグループでは、リーダーシップも含め、通常のプロジェクトと同じように活動計画を立案し、日々お客様にコンサルティングを提供している現場社員、特に若手社員が中心となって、I&D活動を推進しています。これが何を意味するのか?
「SAPグループのI&Dに対する想いは、ただの言葉で終わらない」という事です。常に次世代の働き方を見据えて、現場社員が描く理想の職場環境に近づくための活動を行っており、その姿は正にアクセンチュアが目指す「Let There Be Change」を象徴しています。
個人的な話になりますが、私にとってはこのSAPグループのI&D活動は、「幼い時から思い描いていた理想」です。私の母は、多才な能力を発揮して、得意の分野で大活躍していたキャリアウーマンでしたが、出産・子育てを機に第一線から退かなくてはなりませんでした。その背景には、時代的要素や当時の厳しい職場環境があり、産休・育休に入る前には「もうすぐお休みに入るのだから、その分働いておいて」と、余分な仕事も押し付けられてしまう様な状況でした。その様に苦労している姿を見て育った私にとって、アクセンチュアの、そしてSAPグループのI&D活動は「社員に寄り添う」理想的な取り組みであり、「キャリアもプライベートも大切に出来る」ことを体現していると感じます。そのような活動に関われる事を、私自身誇りに思います。
入社直後に配属先の説明会にて、SAPグループのリーダーからある言葉を頂きました。
「SAPグループは、皆さんにとってアクセンチュアの中の実家です」
これは、当時アクセンチュアの組織規模に圧倒されていた私にとって、心の支えになる一言でした。今日もこの言葉を胸に、より多くの仲間にとって働きやすい環境を作れるように、チーム一丸となってI&D活動に務めてまいります。