組織の壁を超えたワンチームによって共に困難を乗り越え、価値を創出
今回のプロジェクトは、まさにJICAとマイクロソフト、アクセンチュアがワンチームとなった協働によって成し遂げられた成果です。
成功要因を整理すると、①ユーザーからのリクエストを正面から受け止めたこと、②リスク低減を図りつつスピード最重視で導入したこと、③マイクロソフトの技術的サポート、④アクセンチュアの総合的なプロジェクト推進力とコンサルティングの4点に集約できるといえます。
広沢部長以下の方々にそれぞれの視点で得られた成果等について本プロジェクトを振り返っていただきました。
「現行環境を拡張して迅速にクラウドへの移行を実現したことが本プロジェクトの成功要因ですが、アクセンチュアがJICA内部の事情を熟知しており、エンドユーザーが直面している課題に真摯に向き合ったことも大きく貢献しています。アクセンチュアは非常にプロアクティブで、積極的な働き掛けはもちろん、必要があれば「ノー」もきちんと明示してもらえるなど、信頼できるパートナーです」(柏村氏)
「安定稼働して当たり前と思われがちな情報システムですが、いかに運用管理者の努力によって支えられているかが組織内で認知されるようになりました。依頼事項があるときも『大変な中、申し訳ないですが』と一言添える気遣いをお互いができ、協力しあうJICAのカルチャーが一層深まったように感じます」(宮下氏)
「アクセンチュアのチームは、直接、差し迫ったユーザーの生の声に常に触れていただいているため、我々と同じスピード感と危機感で課題を共有できています。アクセンチュアがJICAの課題に対して当事者意識を持って取り組んでいただけるなど、組織の垣根を超えた対応で付加価値を生み出してくださっています」(小原氏)
「緊急事態宣言の発令後は、部長が対策本部会合に日々出席して大小様々な課題を部に持ち帰り、アクセンチュアメンバーも交えて部内で議論しながら対策をアップデートし続けました。短期的に急場をしのぐだけでなく、その先を見据えた取り組みへの転換も設定されるなど、ゴールを早期に具体化できたのがこのチームの大きな成果です」(末兼氏)
「JICAのクラウド化は道半ばですが、基盤システムのリモートワーク対応は第一段階が完了しました。今後、社会では様々なイノベーションが起こると期待されますが、JICAではその恩恵をいち早く得て、DXのメリットを最大化していく考えです」(若杉氏)
「本プロジェクトによって、コロナ禍で混乱した現場の業務体制を迅速に立て直すだけでなく、JICAのデジタル変革、そして国際協力を強力に推進する土台を構築できました。危機を好機に転じ、プラスの価値を生み出すことができたと考えています。アクセンチュアからは、それらを実現するため緻密な分析に基づく大胆な提案をいただきました。今後も、クラウド移行を完遂し、マイクロソフトのソリューションを徹底的に活用していくため、両社からのさらなる提案を期待しています」(広沢氏)
本プロジェクトにおいて、JICA側メンバーと日々のコミュニケーションを最前線で担当した上原雄貴(テクノロジーコンサルティング本部 インテリジェントクラウド アンド インフラストラクチャー グループ マネジャー )は次のように振り返ります。
「コロナ禍がいかにJICAの業務を逼迫させていたか、また情報システム部の皆様がどれほど大変なご苦労をなさっているのかを ITシステム運用とヘルプデスクを担う私たちアクセンチュアのチームは間近で拝見しておりました。機構内の状況等はリアルタイムに把握しておりましたので、マイクロソフト側と技術検証等の打ち合わせをシームレスに進めるなど、JICAの意思決定を運用や技術面でご支援しました」(上原)
アクセンチュアはソリューションを持つパートナー企業とともに、これからもJICA全体でのデジタル活用と価値創出に貢献してまいります。