次に在宅でのデジタル受信・診療支援についての事例をご紹介します。アプリを使った予約システムで患者の予約待ち時間を短縮する、あるいはリモート診療による患者と医師双方の負担の軽減や、地方などでは医療リソースの不足や医師の偏在といった課題の解決が期待されます。すでに諸外国ではこうした取り組みが具体的な成果を生み出しており、日本での実現可能性も十分高いと考えられます。
実際、こうした試みは草の根的なプロジェクトとして日本国内の各地で進められています。これはアクセンチュアが支援した事例ではありませんが、コロナ禍の最中の2021年2月、京都では「KISA2隊(きさつたい)」というCOVID-19の自宅療養者を支援する訪問診療チームが結成されました。現在は行政の支援も得ながら、大阪にもKISA2隊大阪が結成、他の県にもKISA2隊が結成されつつあります。 KISA2隊は地域で在宅医療に関わってきた医師や看護師をはじめとする医療従事者有志による在宅でのコロナウィルス患者を支援する試みで、往診やオンライン診療を組み合わせて、流行の第5波までに1,400回以上の訪問診療と200人以上の患者のケアを行ってきました。医療従事者による自発的な取り組みであると同時に、デジタルを効果的に活用した事例として、今後の動向が注目されます。
【図表⑪: KISA2隊とは、孤立状態にあるCOVID-19自宅療養者に対して、往診やオンライン診療を組み合わせて医療と安心を届けている、関西エリアで活動する訪問診療チームである】