AWSとアクセンチュアが組むメリットとは?
清水: メインフレームからAWSのクラウド環境へ基幹業務システム基盤を刷新・移行した事例はすでに多数存在しています。例えば米国では米空軍、大手新聞社のニューヨークタイムズ、大手金融会社のキャピタル・ワンなどがメインフレームからAWSクラウドへ移行し、AWSの事例でも紹介しています。同様の事例は日本国内にも存在しています。
すでに移行した事例ではレガシーシステムをクラウド環境に人海戦術でリビルドしたケースもありますが、最近は当時の業務を知る人材が現役を退いていることも多く、そう簡単には移行できません。そこでまずは可能な範囲でパッケージに移行し、それで対応が難しい場合にコードを自動変換するツールを使ってクラウドへリプラットフォームするという二段階の移行がトレンドになっています。ただし、多くのお客様はレガシーシステムのソースコードを自動変換するツールを持っていません。アクセンチュアのように刷新・移行のノウハウと知見、ツールを併せ持ったパートナーに支援してもらうことは極めて重要だと思っています。
中野: アクセンチュアは、2015年に「Accenture AWS Business Group(AABG)」を立ち上げ、AWSと協働でお客様のクラウド活用推進、新たなビジネス価値創出の支援に取り組んできました。2017年からはベストプラクティスをまとめた「AWS Well-Architected フレームワーク」も取り入れながら、協業を本格化させています。レガシーシステムを刷新・移行する案件についても、移行の際の中間的な開発・テスト環境を中心に、AWSクラウドを積極的に活用してきました。メインフレームからAWSクラウドへの移行については現在、パイロット的なプロジェクトから本番移行中のプロジェクトまでステータスが異なる大小10以上のプロジェクトが同時進行しています。
2020年2月にはCOBOLの登場から60年を迎えたことを記念し、「IT温故知新! COBOLハッカソン 2020」というイベントを開催するなど、COBOLエンジニアのすそ野を広げる活動にも取り組んでいます。このイベントでは『COBOLでクラウド連携やってみた!』というテーマのもと、AWSを用いて、自然言語処理やサーバーレスなどを含む最新技術をCOBOLと組み合わせ、レガシーな技術が最新のデジタル技術と連携できることを証明しました。
アクセンチュアはツールベンダーではないので、中立的な立場でお客様の状況に合わせたさまざまな選択肢を用意できるところに強みがあります。レガシーシステムの刷新・移行については、経営課題の解決に向け、あるべきITの姿を考えるためにも、プランニングのところからお客様の支援に参画することが最も価値を感じていただけると考えています。