解き放たれる価値

不確実な時代にも、新しいテクノロジーを採用し、素早く適応している企業は、混沌とした状況からいち早く脱し、価値を解き放ち、成長を加速しています。

最新調査では、企業の2社のうち1社が、過去2年間で複数の事業領域の変革を同時に進めている、あるいは、かつてないほど迅速に1つの大規模な変革に取り組んでいることが分かりました。アクセンチュアでは、このように極めて短期間かつ確実に遂行される変革を「Compressed Transformation（戦略、デジタル、オペレーションを含むすべてを変える全社変革）」と呼んでいます。

Compressed Transformationを進めている企業は、相互運用性によって俊敏性を獲得しています。

相互運用性を実現することで、ビジネスにおけるさまざまな点で単一のデータソースを共有できるため、企業の変革と成長が加速します。今回の調査では、相互運用性の高い企業は他の企業の6倍の速さで収益が伸長しており、年間収益成長率は今後さらに5パーセンテージポイント（以降、pp）上昇する可能性が示されています。

長期的な視点で捉えると、この結果が示す高い優位性をより理解しやすくなります。例えば、現在の売上高が100億ドルの、業態と規模が全く同じ2つの企業があったとします。一方は相互運用性が高く、もう一方は相互運用性が低い（または「ない」）場合、相互運用性の高い企業だけが、今後5年間で80億ドル以上も多くの収益を得る可能性を与えられているのです。

人、テクノロジー、オペレーション/プロセスを統合することでもたらされる相互運用性は、業界や景気循環に左右されることのない、常に一貫した5つの価値を実現します。

1. 透明性: データのサイロ化が解消されることで情報の可視性が向上し、優れた意思決定が可能になります。
2. 俊敏性: データと組織間の依存関係を適切に管理できるため、複数の事業領域を同時に変革することを可能にする俊敏性を獲得できます。これにより、変革の成功に不可欠なITインフラの最適な整備の成功率が13pp上昇する可能性があります。
3. 生産性: 複数のアプリケーションを業務ごとに使い分ける必要がなくなることで、従業員の1日の労働時間のうち2時間近くを占めているアプリケーションの切り替えに要する時間を削減することができます。
4. 経験: 複数のアプリケーションで分散管理されている顧客情報に包括的かつリアルタイムにアクセスできるようになります。相互運用性の高い企業は、顧客体験（CX）の再構築における成功率が15％高くなる可能性があります。
5. スケーラビリティ: 一連の業務の連携が容易になるため、企業全体で迅速な変革を実現することができます。これにより、ROIが7％向上します。    

遍在するクラウド、高度なアプリケーション設計、低コストのアプリケーションという3つの技術革新により、従来と比べてアプリケーションの導入と再構築のハードルが大幅に低くなっている今日、企業は、相互運用性による永続的な価値を実現できる可能性を、すでに手にしているのです。