クラウドを活用している企業は、全体的なコスト効率の大幅な改善、サービス水準の向上、市場投入までのスピードの向上などの成果を実際に実現しており、クラウド移行によってビジネスモデルを再構築し、事業のレジリエンスを高めています。
しかし、すべてのクラウド活用企業が同様の成果を上げているわけではありません。アクセンチュアは今回の調査で、大きな成果を達成している企業が持つ明確なパターンを特定しています。調査結果では、クラウドによる価値を最大限実現している企業は、クラウド導入規模が大きい傾向が示されました。「クラウド移行により期待通りの成果を達成している」と回答した企業の割合はクラウドを大規模に導入している企業では半数近く(46%)であるのに対し、クラウドの導入が中規模であった企業では36%、導入が小規模であった企業では28%でした。また、全体の半数以上(54%)の企業が「期待通りの成果を達成できていない」と回答しています。
また、導入率が高い企業ほどクラウドによる価値を引き出すために、先行してパートナーとの連携を強化する傾向が見られます。クラウドを大規模に導入している企業の29%が「広範な運用領域でクラウドマネージドサービスを採用している」と回答しており、この回答率は導入が中規模であった企業の約3倍、導入が小規模であった企業の約10倍に相当します。全体で見ても、広範な運用領域でクラウドマネージドサービスを採用している企業(48%)は、他の企業(35%)と比べ、期待通りにクラウドによる成果を達成している確立が高いことが分かります。
また、クラウドの価値を最大限引き出している企業に共通する特徴として、収益が100億ドル以上の大規模企業であること、ラテンアメリカや北米を拠点とする企業であることの2点が挙げられます。これらの企業は、市場投入までの時間短縮とサービス水準向上で最大の成果を上げています。