証券リテールビジネスの収益の9割は1割の顧客がもたらしており、顧客の大半は60代以上のシニア富裕層である。シニア富裕層の獲得・深耕は、各社しのぎを削っており、一定の成果を上げているものの、相続による資産流出の波はじりじりと押し寄せてきている。
総務省統計局 家計調査(貯蓄・負債編)によると、全体資産のうち約7割が60代以上に集中しており、これら60代以上の資産が今後10年、20年で大規模な資産移転を迎えることとなるため、資産移転先および新たな中核顧客として、次世代富裕層の獲得が急務となる。
本稿では、次世代富裕層の獲得にあたって押えるべきポイントを、海外金融機関のアプローチ事例も交えてご紹介したい。