近年、保険業界では経営課題の解決を目的としてBPOの利用・検討が活発化しています。それらの課題を整理すると、大きく4つのテーマに分類できます。
- オペレーションコスト削減のための業務・システムの効率化
- リモート環境で業務遂行できる環境の構築とBCP(事業継続計画)強化
- 高齢社員の知識の形式知化
- 処理精度・速度の向上による事務品質の向上
第1のオペレーションコストの問題では、事務処理工数とコスト、ITシステム開発・維持など、業務とコストが不可分に絡み合っています。さらに不正契約請求の排除もオペレーションと関係した重要なテーマです。
コロナ禍の影響によるリモートワーク移行の社会的要請は、保険会社にとって紙に依存したオペレーションからの脱却と同時に論じる必要のある、重要な課題として認識されています。従業員が在宅のまま業務を遂行するには、ペーパーレス化=デジタル化の実行が必須です。また、場所を問わずに業務可能な組織体制の構築は、有事(自然災害、感染症等)の発生時でも業務を継続できる堅牢なオペレーション環境の実現を意味しています。
一方で、保険会社は勤続年数の長い従業員が多いことでも知られる業界です。従業員の年齢構成の点でも全体として高齢化傾向にあり、熟練の従業員の定年退職時期を迎えることで業務知識の継承の問題が表面化しつつあります。暗黙知の形式知化・マニュアル化が急務です。
保険会社は金融庁の監督下に置かれているため、事務事故に対する危機意識が非常に高い業界でもあります。各社が独自の品質向上プログラムに取り組んでいますが、処理精度向上とスピード向上・リードタイムの短縮、遅延防止などをいかにガイドライン遵守に基づいて実現していくかが課題です。
以上のような課題認識が保険会社のマネジメント層に広く浸透してはいますが、課題解決に取り組むにあたってボトルネックとなっているのが変革を推進できる要員(人材)の不足、専門のアセットやデジタル技術に関する知見・ノウハウの不足です。
アクセンチュアの保険BPOは、こうした課題にお悩みの保険会社をご支援するべく、BPO専門人材のチームがお客様に成り代わって変革の推進を担当します。