AIをビジネス全体に取り入れるためのビジネスプロセスと従業員の編成に着手するために、いくつかの実践すべき実用的な手順があります。
業務計画の視点を「労働力」から「業務」へと捉え直す
従来の職務内容を詳しく分析し、タスクと活動を完全に自動化できるものと人間と機械の協働が必要なものとに分類します。さらに、各要素が実現した場合、従業員や部門の間にどのような相互作用が生まれるかを検討します。
新しいスキルの習得に本格的に取り組む
人間と機械の協働によって真の価値を引き出すために、必要とされる知識とスキルを明確に理解する必要があります。リーダーシップ、教育、採用などのプログラムを見直して、新しい知識とスキルを獲得するための新たな手法に投資しましょう。例えばアクセンチュアでは、AI投資額のおよそ60%を研修プログラムに割り当てています。
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「AIトレーナー」など、AIが生み出す新しい役割にはどんなものがあるでしょうか?新たな市場や製品、顧客体験を創出するために有効な新しい役割や業務に、組織は対応する準備ができていますか?
人間と機械の協働が進むにつれて、AIは様々な人間の仕事を補強することになります。例えばAIが意思決定そのものを担うわけではありませんが、意思決定を支援するリアルタイムデータのビューを提供してくれます。人間と機械の協働における役割分担では、両者の境界線と業務プロセスを明確に分割し、今後の組織のAI成熟度の変化に応じて境界線が変わる可能性についても最初に考慮しておく必要があります。企業はスキルアップや再教育のプログラムを通じて「データネイティブ」な従業員を育成し、新しいアプローチで再定義した役割と業務タスクによって、組織図がどのように変化するのかを正確に把握しておくことで、AIの本格導入を成功させることができます。
アクセンチュアが実施した未来の職場に関する調査では、従業員は企業が考えている以上にAIとの協働に対する心構えができていることが分かっています。つまり、AIの本格導入に踏み切るかどうかは企業の決断次第なのです。
AIは労働者にとってもプラスに働くかもしれません。